桜井市周辺

◼室生寺(奈良県宇陀市)

★真言宗室生寺派 大本山

開基(創立者)は賢憬(賢璟)、本尊は釈迦如来。宇陀川の支流室生川の北岸にある室生山の山麓から中腹に堂塔が散在する。平安時代前期の建築や仏像を伝え、境内はシャクナゲの名所としても知られる。女人禁制だった高野山に対し、女性の参詣が許されていたことから「女人高野」の別名がある。

本堂「悉地院」 のご朱印。

「如意宝珠」とは、仏教において霊験を表すとされる宝の珠のこと。如意輪観音、地蔵菩薩、虚空蔵菩薩などの持物、三昧耶形とされる。弘法大師・空海が、師事する恵果阿闍梨より授かった如意宝珠を、この山の頂上に埋めたという伝承が残っている。

金堂の近くにある弥勒堂には、役行者「神変大菩薩」が安置されている。

本堂正面の厨子に「如意輪観音」菩薩が安置される。穏やかな作風の桧の一木造りで、観心寺・神咒寺の如意輪とともに日本三如意輪の一つと称されている。

奥之院のご朱印。奥深い深山という室生寺の環境は、密教の道場にふさわしいことなどから、次第に密教的色彩を強め、鎌倉期には真言密教の最も重要な儀式を行う灌頂堂と、「弘法大師」を祀る御影堂が奥の院に建立された。

◼阿倍文珠院(奈良県桜井市)

★華厳宗

開基(創立者)は安倍倉梯麻呂。切戸文殊(京都府宮津市)、亀岡文殊(山形県高畠町)とともに日本三文殊に数えられる。ご本尊の文殊菩薩は獅子に乗り4人の脇侍を伴う渡海文殊【5像全てが国宝】のお姿である。鎌倉時代・建仁3年(1203年)に大仏師・快慶によって造立された。

文殊もまた修行の途上であるとの観点から、菩薩の呼称を避け文殊大士と呼ぶことがある。

奈良大和四寺巡礼の御朱印「知恵佛」。

◼長谷寺(奈良県桜井市)

★真言宗 豊山派

ご本尊は十一面観音、開基(創立者)は僧の道明とされる。西国三十三所観音霊場の第八番札所であり、日本でも有数の観音霊場として知られる。当初東大寺(華厳宗)の末寺であったが、平安時代中期には興福寺(法相宗)の末寺となり、16世紀以降は覚鑁(興教大師)によって興され僧正頼瑜により成道した新義真言宗の流れをくむ寺院となった。天正16年(1588年)、豊臣秀吉により根来山(根来寺)を追われた新義真言宗門徒が入山し、同派の僧正専誉により現在の真言宗豊山派が大成された。

「大悲閣」は、観世音菩薩像を安置した仏堂の意味。

◼法起院(奈良県桜井市)

★真言宗 豊山派

奈良時代の天平7年(735年)に西国三十三所を創始したと伝えられている徳道がこの地で隠棲した事に始まるとされる。徳道は晩年、境内の松の木に登り法起菩薩となって遷化したと言われ、当院の名称はそれに由来する。

「開山堂」は、江戸時代前期の元禄8年(1695年)長谷寺化主の英岳僧正が寺院を再建し、長谷寺開山堂としたことに因む。